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借りぐらしのアリエッティ
 実は14日、ゴセイジャーWの後に見てました。今まで何処でも告知してませんでしたが、最初からセットで見る気満々でした。

 ジブリアニメを劇場で見るの初めてです。
 かと言ってTVでもろくに見てませんが…巷でリーサルウェポンと評されている「耳をすませば」は、とても好きと言うかツボに入ってる作品ではあります。とは言えそのリーサルウェポン部分ではなく、あのJCが小説を仕上げようとする姿に物凄く共感したからなんですが…。

 まあともかく今回に限って見に行こうと思ったのは、ひとえに90分映画って訊いたからです。あらお手軽!
 上映時間中は拘束される映画館なんだから、長けりゃいいってもんじゃないよな絶対。自宅で手軽に見れるDVDではやりたかったシーンを全部追加してDC版にすればいいと思ってる今日この頃。

 と言う訳で、以下にはネタバレ感想です。
 原作(にあたる小説)未読。関連書籍も一切目を通してませんし、地上波全然見ないから日テレで特番やってたにせよそれは全く知りません。完全にこの映画のみでの感想。パンフは(他の映画同様)買った。


















 第一印象ですが、ジブリブランドに期待し過ぎた…と言ってしまったら語弊があるか。
 昆虫や小動物の描写が、もっとリアル作画で動くものだと思い込んでたんですよ。そう言うものに力入れてるイメージがあって、1年前に映画館で見たイメージカットみたいな予告編も庭の風景中心だったし。それこそナショジオでやる小型カメラ使って撮影するようなドキュメンタリーみたいな。そう言うのを見たいのも、映画館に足を運んだ一因だったんだよな。
 でも蓋を開けてみるとディズニーちっくと言うか、アニメちっくな動きだったなあと。網戸に突っ込んできてじたばたする烏の挙動とかまんま。
 そのイメージを修正するのにちょっと手間取った。この辺は、事前宣伝とかチェックしてたら良かったんだろうな。

 物語自体はとても淡々としていて、盛り上げ所も大して存在しません。アリエッティの母をハルから救出するくだりがかろうじてそれに当たるんでしょうけど、過剰に盛り上げる演出も描写も一切存在せず。
 ここでハルがえらい目に遭うとかすればカタルシスも発生するでしょうが、そう言う事もありません。彼女が蒙ったのは、小人を目撃しても表向きは信じて貰えなかったって瑕だけ。
 この「表向きは」ってのが重要でして、実情は違う。ドールハウスに残されたハーブティ入りのポットのおかげで、翔の祖母は小人の実在を悟ったのだから。
 ハルの目撃は真実だと、結局知ってるんですよ。雇い主は。だからハルを「嘘つき」とは思ってない。ここが、ものすげー重要。ハルは虚言癖扱いされたりはしてない。

 更に言うならそのハルの行為を呼び込んだのは、翔当人です。
 彼が良かれと思ってやった行為は、アリエッティ達にとっては正にありがた迷惑だった。「きちんと使えるキッチンをあげよう」と思って翔はドールハウスのキッチンをアリエッティ宅のキッチンと差し替えた訳ですけど、小人視線で見たら「地震」なんだよなーあの行為。家の中滅茶苦茶になってしまったし。

 でも、やらかした翔だけが悪いんじゃなくて、冒頭でアリエッティが人間の庭に出てたのが、根本的な誤りだった。そこで翔に目撃されてしまっていた=何も知らないはずの翔が「小人」を認識してしまっていた。
 マジで「見られてはいけない」、出会っちゃいけなかったんですよ。このふたり。

 それだけ、身体のサイズの違いって、どうしようもねーんだよな。
 視点が違えば音の聴こえ方も全く違う。最初にアリエッティが「借り」に出かけた時、聴こえた音こそが小人が聴く音。人間には普通の生活音でも、小人にはエコーがかって聴こえる。アリエッティと会話する時、翔の声にエコーかかってるのも、そういう演出意図なんでしょう。

 ハルの行為だって、別に小人達に悪意がある訳じゃありません。小人達に、人間と同様の権利を認めてないだけです。

 そしてそれが普通の人間の態度って奴です。

 単に、好奇心の元に、昆虫とかを収集するようにとっ捕まえただけですよアレ。アリエッティの母を捕まえた時、瓶に閉じ込めてラップ掛けて空気穴空けるなんて、そのものじゃないですか。
 ネズミ駆除業者呼んでも「殺さないで捕まえて」ですから。「泥棒小人」と認識してても、駆除する気はない。あくまでもその手に捕まえたいだけ。別に小人達に感情移入してなきゃ、「単なる動物の一種」と解釈してりゃ、そうなって当然。

 翔個人が小人と仲良くなりたくても、周辺の人間が全員そうとは限らない。「共存出来る同居人」との意識を「人間」全員が共有しなきゃ、絶対に齟齬が生じる。
 仮に防犯目的で犬を飼い始める人が居たにせよ、「犬ってのはそう言うものだ」と周辺の人間が認識してなきゃ、「犬」を排除しようとする動きは絶対に表れる。最悪、その犬、誰かに殺されるでしょう。

 だからこそ、この映画の「キャッチフレーズ」は「人間に見られてはならない」なんだと思う。人間に存在を認識されたが最後、逃亡しなきゃ自分達が破滅する。一個人の善意なんか頼っても、全くあてにならない。
 アリエッティと翔が淡い初恋みたいに判り合えたにせよ、結局は彼女の一家はあの家から出て行かなきゃいけなかった。それが現実。
 アリエッティは冒頭、翔に目撃された時点で、既に「別れ」が始まってる訳です。その時点では「出会い」を全く認識してないのに。

 翔の祖母の父は小人の目撃経験があり、彼らと再び出会った時のために精巧なドールハウスを造っておいた。しかしアリエッティの父が言うには「昔にはこの家には他にもふたつの家族が居た。しかしひとつはいなくなり、もうひとつは引っ越した」…つまり、翔の曾爺さんに目撃されたから、出て行かなきゃいけなくなったんでしょう。
 人間にとってはちょっとした思い出に過ぎなくても、小人達には生活拠点を失う大事件になってしまった。もう、視点が違い過ぎててどうしようもない。人間と小人とは。

 翔がアリエッティ達に「何かしてあげたい」って思って、こう言う事をやらかしたのは、彼自身が重い心臓病で誰かの庇護下になきゃ生きていけない(見舞ってくれる友達も居ないようだし)からって解釈でいいのかな。誰かを守ってみたかった。

 「君達は滅びゆく種族なんだ」てな、一見して唐突な台詞は、翔が「死」と言うものを身近な存在としていたからなんでしょうかね。そうやって、小人達に感情移入してしまった。
 「絶滅していった種族」の知識があったのは、自分が死にゆく身だからその手の本を読んでたとか。…俺が表紙や中身を見落としたのかもしれんけど、翔がベッドとかで読んでた本がそれに当たるのかも。
 「人間が世界にどれだけ居るか知ってる?」ってのは、この家に居るだけかもしれない小人との比較。67億人と3人。小人の家族は他に居るかもしれないし、本当にこの3人だけかもしれない。数の暴力と、そんな彼らを繋ぐべきネットワークの有無は、とてつもなくでかい差異になる。

 それだけ、死が身近だった=もう受け容れる気満々だったっぽい翔ですが、最後に「アリエッティ、君は僕の心臓の一部だ」と言った。つまりアリエッティの存在が彼を生かす事になる。
 そう思えば、冒頭の「僕はあの年の夏、母の育った古い屋敷で1週間だけ過ごした」と過去形なのは、翔の手術が成功した示唆と解釈出来るか。そして少年の中であの出会いは過去の思い出になった。

 小人に合わせたサイズの小物類には目を惹かれました。ピンキーと一緒に飾るために、食玩集めてる人間としては。最近の食玩って精巧だもんねえ。
 小人サイズなんだけど、人間が使ってる道具をそのまま小型化して置き換えてる訳じゃないってのも、芸が細かい。あんなに小さいティーポットから出てくる液体は、表面張力のせいで水滴になるのが当然。コンロも炎の吹き出し口をそのまま小さく加工出来る訳もないので、炎をつけてその横に鍋を吊るして温める形式になる。うわー納得。
 人間の小物を小人があんな風に活用するんだ…ってのは、本当にピンキー用小物を作成するのにも似ていて、ものすげー共感しました。我々ぴんきすととは、小物を見てはどういじればピンキーに転用出来るか考える生き物なのです。
 何と言うか…「小人が生活してるなら、本当にこんな風なんだろうな」って風にリアルに想像出来てしまう。

 これでもかって程に「人間と小人は違う存在」「"人間に出会ってはならない"と言う小人の掟は、絶対的に守られるべき真実だった」って、描かれてるこの物語。

 これ、本当に、ファミリー向き………?
 いや、広告とか殆ど知らんけど、ジブリのイメージってそう言うアニメじゃねえの?
 …ま、まあ、この映画の影響で小人を探そうとしたがる子供を「見付けたら小人さん達が大変な事になっちゃうよ」と諭す事が出来るって点では、いいのか?

 「人間に出会ったら引っ越さなきゃいけない」けど、それは破滅を回避するための手段であり、破滅そのものじゃない訳です。アリエッティの母は「ここは暮らし易かったのに」と言ってましたが、裏を返せば以前には別の所で暮らしていた=この家には引っ越してきたって意味合いですし。
 って事は、引っ越しは酷く特別な事でもないんだろうか…って考えると、「借りぐらし」は「仮ぐらし」でもあるんかねえと思ってしまった。人間の家の軒先借りて住んでる以上、人間の都合に振り回されるもんなんですし彼ら。人間に見付かってなくても、家が取り壊されたりするとかさ。
 スピナーの出現で「他の小人のコミュニティの存在」も示唆されましたし、必ずしも滅びゆく種族ではないのかもしれないですね。緩やかな滅びは訪れているのかもしれないけど。

 以上。
 本来の小動物や昆虫ヲチと言う観点は見事に外されましたが、物語自体は非常に楽しめました。それも、謎の設定とそれを解き明かすための伏線の張り方が非常に素晴らしいからです。
 90分と言う適度な長さなので、そこに含まれている伏線を拾うのがかなり楽しい物語だと思います。
 何故「人間に見られてはならない」のか?――それを「謎」として設定して、それを解き明かそうと思って見ていけば、かなりすんなり読み込める物語だと思う。

 但し、間違っても「冒険物語」として見ちゃいけません。「罰せられるべき悪人」が居ない(仮に被害を与えるような事をしでかした奴が居ても、そこで罰せられては本来の主題からは外れてしまう)ので、豪快に肩透かしを食らいます。駄作なんじゃなくて、視点が違うんです。これ、そう言う物語じゃないから。
 「成長物語」…ってのも、微妙に違うと思うんだよなー。翔はアリエッティとの出会いから「生きる気力」を得たんだろうけどさ。じゃあアリエッティが学んだのは何かと言うと、「善い人間でもやはり出会ったらいけない」と言う苦い経験。でもアリエッティ一家も翔も「誰も悪くない」と割り切って、アリエッティと翔は淡い初恋みたいなふいんきに包んじゃった。

 「小人が人間の家で生活しているとすれば?」てな仮定へのリアルな回答ぶりも素晴らしかった。ビスケットを再び粉にするとか(多分あれでパン焼くんでしょう)、もう素敵過ぎた。
| S.C. | 13:40 | comments(3) | trackbacks(1) | pookmark |
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Comment
こんにちは。
アリエッティご覧になったんですね。
私はDVDで観る予定です。
期待しているので、辛口批評だったらどうしよう〜(なら読まなきゃいいのに…)とヒヤヒヤしましたが、
お気に召されたようで一安心。
だって観たい映画が駄作だとか言われるとややショック。
私も小人を見つけたら見なかったふりしよ〜と思いました。
まだ映画みてないけど。
Posted by: 吉田まりん |at: 2010/08/18 2:05 PM
吉田まりんさん>
 ちわ。見に行きました。ジブリは基本的にDVDで修正掛けないんでしょうから、劇場版そのまんまだと思われますよ。
 こいつは駄作じゃないし、むしろストーリーラインが見事過ぎる、コンパクトな良作だと思います。
 が、「冒険物語」とか「少女の成長を描く」とか勘違いしたまま見ると、盛り上げ所がなくてすげーつまらなく思えるんじゃないかなーと愚考します。どう宣伝してるんだか知りませんが。
Posted by: SC |at: 2010/08/19 3:58 PM
こんにちは。ようやくアリエッティ観ました。
私はすっごいおもしろかったです。良かった!もうアリエッティに感情移入しまくり。年違いすぎるけど!あんなに美しくないけど!お父さんも理想的にかっこいいしもう素晴らしい。コメントなのでこの辺りで終了しますが、子供もおもしろかったと言ってました。
Posted by: 吉田まりん |at: 2011/07/24 5:09 PM








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